ウクライナ情勢をめぐってアメリカのブリンケン国務長官とロシアのラブロフ外相による電話会談が1日、行われることになりました。


NATO=北大西洋条約機構の拡大をめぐる双方の主張は大きく隔たったままで、緊張緩和の糸口を見いだせるかは不透明です。

ウクライナ情勢で緊張が続く中、アメリカとロシアの両政府は31日、ブリンケン国務長官とラブロフ外相が1日に電話会談を行うことを明らかにしました。



会談では、ロシアが隣国ウクライナへの軍事的な圧力を強めながらNATOをこれ以上拡大しないことなどを法的に保証するよう求めている問題について意見が交わされるものとみられます。



この問題をめぐっては、アメリカがロシア側の要求に応じられない考えを書面で伝えたのに対し、ロシアは、プーチン大統領が1月28日、アメリカなどはロシアの根本的な懸念を考慮していないと不満を表しています。



また30日には、ラブロフ外相がNATOなどに対して再考を求める要請文を送ったことを明らかにするなど、双方の主張は大きく隔たったままです。



ブリンケン長官とラブロフ外相の直接対話は1月21日のスイスでの会談以来で、アメリカ国務省のプライス報道官は31日の記者会見で「外交と対話における次のステップだ」と強調しましたが、緊張緩和の糸口を見いだせるかは不透明です。

英 ロシアへの経済制裁を強化する方針

ウクライナ情勢をめぐって、イギリスのトラス外相は、31日、ロシアへの経済制裁を強化する方針を明らかにしました。



対象をこれまでより大幅に広げたうえで、アメリカなどと歩調をあわせて資産の凍結や渡航禁止を迅速に行えるようになり、「ロシアに対するこれまでで最も厳しい制裁の枠組みになる」としています。



トラス外相は、「必要に応じて、ロシアの戦略的利益の本当に痛いところを突けるようになる」と、制裁強化の意義を強調しています。