新型コロナウイルスの感染が拡大する中、在宅で介護が必要な人が感染するケースが相次ぎ、ヘルパーが防護服を着て訪問介護を行う事態となっていて、介護事業者のグループが訪問介護の現場への支援の拡充を求めています。

訪問介護の事業者によりますと、新型コロナの感染の拡大に伴って、訪問介護を受ける高齢者や障害者が感染したり、濃厚接触者になったりするケースが全国で相次いでいるということです。



介護がないと日常生活が成り立たない人も多いことから、ヘルパーが防護服を着て自宅を訪問する事態も起きています。



さらに、介助の際は体を密着せざるをえないことも多く、認知症や障害などによってマスクをつけるのが難しい利用者もいて、ヘルパーは感染のリスクと向き合いながら介護を続けています。



一方で、防護服などの資材や検査キット、ヘルパーへの危険手当などで事業者の負担が増えることなどから、感染者への対応を断らざるをえない事業者もいるということです。



このため、介護事業者のグループが国に対して、感染者の訪問介護を行った場合の介護報酬の加算や、ヘルパーに対する3回目のワクチンの優先接種など、訪問介護の現場への支援の拡充を求めています。



グループでは、インターネットで署名を集めていて、代表の吉田真一さんは「訪問介護は利用者の命と生活を支えるため必要不可欠な存在だ。医療や看護、施設介護と同じように、訪問介護にも感染リスクに見合う待遇を整えてほしい」と話しています。

訪問介護 感染リスクと隣り合わせ

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、感染者がいる住宅への訪問介護を続ける事業所は、利用者を支えたいという思いと感染リスクの間で板挟みになっています。



東京・新宿区の訪問介護事業所では、利用者が感染したり濃厚接触者となったりした場合も生活に欠かせない介護を止めることはできないと、訪問を継続しています。



みずからも障害がある事業所の代表の男性は先月半ばに、同居している家族が感染し、濃厚接触者となりました。



このためヘルパーは感染リスクを少しでも下げるため、防護服と医療用のマスク、手袋、ゴーグルを着用して自宅を訪問し、毎日3回、入浴や排せつなどの介助にあたっています。



入浴介助の際には、介護を受ける人は水にぬれてしまうことからマスクはできませんが、ヘルパーは狭い空間で密着して介助する必要があります。



できるだけ短時間で介助を終わらせるように心がけているといいますが、手袋やゴーグルをしながらのため、どうしても時間がかかってしまうということです。



この事業所では、ほかにも、これまでに5件の感染者や濃厚接触者の介護を担当し、中には利用者から家族の感染を知らされずに訪問したケースもあって、ヘルパーは常に感染のリスクと隣り合わせだといいます。



また、ヘルパーからほかの利用者に感染を広げないよう、感染のリスクが確認された場合は検査の結果が出るまで仕事を休まざるをえないため、シフトのやりくりが難しく、別のヘルパーが休日出勤を余儀なくされるケースも増えています。

訪問介護事業所「でぃぐにてぃ新宿」のサービス提供責任者の藤井美香さんは「自分が感染したり、知らずに利用者に感染させてしまったりする怖さを感じながら、使命感だけを頼りに訪問を続けています。エッセンシャルワーカーとして大切にされていると実感できる支援をしてほしいです」と話していました。

Helper's home-visit care No national assistance or rewards

According to the Ministry of Health, Labor and Welfare, the national fund will subsidize the cost of securing human resources and purchasing sanitary goods necessary for infection control at nursing care facilities that deal with infected people and close contacts, regardless of whether they are facilities or visits.



The amount of subsidy varies depending on the type of business establishment, but in the case of home-visit care, the upper limit is 320,000 yen per business establishment in principle.



In addition to this, at institutional facilities such as special nursing homes for the elderly, if an infected user is forced to continue medical treatment in the facility, a maximum of 150,000 yen will be subsidized for each user.



In addition, in home-visit nursing performed by nurses, if an emergency visit is made to a patient who is being treated at home, a medical fee of 15,600 yen can be added for each visit.



However, there is no subsidy or reward from these countries for home-visit care provided by helpers.



Some local governments have their own subsidies, but only a few.



In addition, subsidies for inspection costs are also covered for admission facilities, but not for home-visit nursing care.