「世界対がんデー」に合わせ、コロナ禍でのがん医療について意見を交わすオンラインでのイベントが開かれ、緩和ケアなどに取り組む医師が病院の面会制限で進行したがん患者や家族に大きな影響が出ていると指摘しました。

イベントは、2月4日の「世界対がんデー」に合わせて5日までの1週間行われたがん医療に関わるさまざまな課題について、医療者や患者などが話し合う「World Cancer Week」の中で開かれました。



5日のイベントでは、コロナ禍でのがん医療について神戸市で在宅医療や緩和ケアに取り組む新城拓也医師が講演し、入院患者との面会が難しい状況について「厳格な病院では、進行した患者の場合、入院時と亡くなる時、2度の別れを体験しないといけなくなってしまった」と指摘しました。



入院患者との面会については、オミクロン株による感染拡大で制限を強化する医療機関が多くなっていて、多くのがん患者や家族が対面で面会できない状況が続いています。



新城医師は「感染が減った去年末でも多くの病院が面会を制限し続けた。患者や家族の人権を制限している側面もあるので、科学的な根拠に基づいて判断していくべきだ」と訴えました。



これについて別の医師からも「面会制限のため入院をいやがる人が増えている」などとして、感染が落ち着いた段階での面会の再開を訴える声が上がっていました。