厚生労働省は、オミクロン株の感染がさらに急拡大した際には、自治体が判断すれば、感染者の濃厚接触者に、発熱などの症状が出た場合、検査を受けなくても、医師が感染したと診断できるなどとする方針を示しています。



これについて、政府分科会の尾身茂会長は、25日に開かれた分科会の会合のあと「オミクロン株については若く、基礎疾患のない人はほとんど重症化しないというデータがある。一人ひとりをケアするのは医療の根本ではないかという議論もあったが、感染が急激に拡大する中で、ほとんど重症化しないことがわかっている人まで今の体制のまま、検査していると、医療の人的資源が足りなくなり、負荷がかかって深刻な状況になるということが専門家や現場の実感としてもある」と述べました。

「問題意識として投げかけることが専門家の役割」

これに関して、尾身会長ら専門家は、オミクロン株に応じた対策として感染がさらに急拡大した場合「若い世代は検査を行わず、症状だけで診断することを検討する」とする案を厚生労働省の専門家会合でも示していました。



尾身会長は「非常に難しい問題だが、専門家の間では、誰かが言わないといけないのではないかという議論があった。問題意識として投げかけることが専門家の役割で、専門家だけでなく一般の人たちにも考えてもらい、社会の納得が得られる、バランスがとれる対策を見つけることが大事だ」と述べました。