去年の農林水産物や食品の輸出額は1兆2300億円余りと、年間で初めて1兆円を超えました。

農林水産省によりますと、去年1年間の農林水産物や食品の輸出額は1兆2385億円で、前の年より25.6%増えました。


9年連続で過去最高を更新し、政府が長年目標としてきた1兆円を初めて超えました。



新型コロナウイルスの感染拡大の影響で世界的に自宅で食事をする人が増える中、小売店向けやインターネット通販向けが拡大したことに加えて、中国やアメリカなどで外食需要が回復してきたことで多くの品目で輸出額が伸びました。


このうち、ホタテ貝が639億円で最も多く、前の年に比べておよそ2倍に増えたほか、牛肉が536億円で86%の増加、ウイスキーが461億円で70%の増加となりました。


また、国や地域別にみますと、中国が2224億円と最も多く、次いで香港が2190億円、アメリカが1683億円などとなっています。



政府は農林水産物や食品の輸出額を2025年に2兆円、2030年に5兆円に増やす目標を掲げていて、相手先に対して輸入規制の撤廃を働きかけるほか輸出に取り組む産地の支援に取り組むことにしています。

金子農林水産大臣は閣議のあとの記者会見で「輸出に関係する皆様の努力と、これまでの輸出促進策の成果によると考えている。今後も目標達成に向けて官民一体となって取り組んでいきたい」と述べました。