ソーセージのメーカーなどでつくる業界団体はプラスチックの削減を進めるため40年近くにわたって広く使われてきた巾着のように袋の上の部分をテープで結ぶ包装をやめる方針を固めました。春ごろまでに業界全体ですべての包装を切り替えることを目指します。
ウインナーソーセージを入れるプラスチックの袋としては上の部分をテープで結び巾着のように膨らませるものが広く使われています。
売り場で目立たせることを目的に各社が導入し、今では、比較的高価格帯のものを中心にウインナーソーセージのおよそ半分で使われています。
ハムやソーセージのメーカー120社余りでつくる「日本ハム・ソーセージ工業協同組合」はプラスチックの削減を進めるためこうした巾着型の包装を業界全体でやめる方針を固めました。
春ごろまでにすべての包装を切り替えることを目指します。
折り重なるような包装を辞めて長方形にするなど、新しいタイプを導入することでプラスチックの使用を最大で30%ほど削減できるということです。
食品メーカーの間では、このほか「味の素」が家庭用のうま味調味料の包装をプラスチックから順次、紙製へと切り替えるなど、脱プラスチックを進める動きが加速しています。
食品メーカー プラスチック包装見直す動き活発化
環境への配慮からプラスチックごみの削減が呼びかけられる中、食品メーカーの間では、プラスチック製の包装を見直す動きが活発になっています。
このうち、大手食品メーカーの「味の素」は、家庭用のうま味調味料のうち、袋入りの商品について、1955年の販売開始以来、使っていたプラスチックのパッケージから順次、紙製へと切り替えます。
2年ほどかけて開発をした新しい紙製のパッケージは、従来のものと変わらない強度になっているということです。
切り替えはことし3月中ごろから順次、行われ、昨年度と比べて年間およそ12トンのプラスチックの使用量の削減が見込まれています。
味の素の調味料事業部の宮坂文浩マネージャーは「プラスチックの使用量を単純に減らすだけでなく、水や湿気への強さ、開封のしやすさなども合わせて実現した。環境にいい包装への転換を図っていきたい」と話していました。
このほか、冷凍食品メーカーの「テーブルマーク」は、冷凍のお好み焼きについて、去年9月の出荷分から、お好み焼きを直接包む、内側のフィルムを廃止しました。
これにより、おととしと比べて年間でおよそ34トンのプラスチックを削減できるほか、調理する際にフィルムを剥がす手間も省けるとしています。
環境対策としてはこれまで、スプーンやストローなどのプラスチック製品を客に無料で提供しているコンビニや外食業界を中心に脱プラスチックの動きが加速していましたが、食品メーカーの間でも対応が広がっています。