鉄鋼大手の日本製鉄は、電気の熱で鉄くずを溶かす方法で鉄鋼製品をつくっている海外メーカー2社を買収すると発表しました。鉄鉱石を高炉で溶かす方法より二酸化炭素の排出量が少なく、脱炭素に向けた取り組みにつなげるねらいです。

発表によりますと、日本製鉄はタイの鉄鋼メーカー、GスチールとGJスチールの株式について、まず現在の大株主からおよそ半数を取得し、来月をめどに子会社化します。



その後株式の公開買い付け=TOBを行って、完全子会社化を目指すということで、買収金額は最大で880億円を見込んでいます。



日本製鉄が買収する2社は、電気の熱で鉄くずを溶かす「電炉」でさまざまな鉄鋼製品をつくっているメーカーで、年間の生産能力は日本国内の電炉による生産量の12%に相当する、およそ300万トンです。



「電炉」は高炉に鉄鉱石と石炭由来のコークスを入れて溶かす方法よりも二酸化炭素の排出が少ないとされていて、会社は買収によって脱炭素に向けた取り組みにつなげるねらいです。



オンラインで開いた会見で日本製鉄の森高弘副社長は「2050年までに温室効果ガスを実質的にゼロにするカーボンニュートラルを目指していて、どこまで炭素の量を落とせるかチャレンジしていきたい」と述べました。