東京証券取引所の新しい社長に就任した山道裕己氏は、NHKなどのインタビューに対し、去年10月の大規模なシステムトラブルで損なわれた信頼の回復に最優先で取り組む姿勢を強調しました。

この中で山道社長は、すべての銘柄の売買を終日停止した去年10月のシステムトラブルについて、「東証に最も求められているのは公正公平な売買の機会を提供することだ。そのためには何よりも信頼の向上と、安定的な市場運営が前提になる」と述べ、信頼の回復に最優先で取り組む姿勢を強調しました。

東証のシステムトラブルでは、社外取締役による「調査委員会」が、ネバーストップ=取り引きを決して止めないというスローガンを重視するあまり、トラブルが起きた際の備えが不十分だったと指摘しています。

これについて山道社長は「システムが止まらないよう最大限の努力はするが、止まることもある。そのときに、いかに早く復旧するかだ」と述べ、仮にトラブルが起きた際は、先にまとめた取り引きを再開するための手順に沿って適切に対応する考えを示しました。

一方、ミャンマーで軍による市民への弾圧が続く中、東証などが続けている現地の証券取引所への支援を見直す考えはないかという質問に対しては、「日本政府の動きとひょうそくを合わせる形でいろいろ考えたい。動向を注視する必要がある」と述べました。