ロシアのウクライナ侵攻が2年となる中、ヨーロッパではシンクタンクによる世論調査で、ウクライナが勝利して終結すると考えている人は、10%にとどまることがわかりました。

この世論調査は、ヨーロッパ外交問題評議会が先月、フランスやドイツなどヨーロッパの12か国であわせて1万7000人余りを対象に行ったものです。

国境を接するなどしてロシアへの警戒感が強く、ウクライナを積極的に支援するバルト三国やフィンランドといった国は含まれていません。

まず「戦争の終わり方として最も考えられるものは何か」という問いに対して、
▽「ウクライナの勝利」と答えた人は12か国の平均で10%、
▽「ウクライナとロシアの交渉」が37%、
▽ロシアの勝利が20%、
▽「興味がない」「わからない」などがあわせて34%でした。

国によって差があり首相がロシア寄りの姿勢を示すハンガリーでは「ウクライナの勝利」と答えた人が4%にとどまり、「ロシアの勝利」と答えた人が31%で最も多くなりました。

また「戦争に対してヨーロッパは何をすべきか」という質問については「ウクライナがロシアと和平協議を行うよう後押しすべきだ」が平均で41%と最も多く、「領土の奪還に向けて支援すべきだ」は31%でした。

今回の結果についてシンクタンクは「侵攻当初はヨーロッパ内でウクライナが勝たなければいけないという『正義派』と、ウクライナがどのような代償を払っても平和を早急に実現するという『和平派』に分かれた議論があった。しかし、いまは平和の実現が、何を意味するかをめぐって意見の相違が出てきているかもしれない」と指摘しています。

そのうえで、ことし11月のアメリカ大統領選挙でトランプ前大統領が当選すれば、交渉による終結を求める圧力が強まることも予想されるため、ヨーロッパ各国の指導者は和平協議はロシアに有利でウクライナとヨーロッパに不利な形でまとまる可能性もあることをあらかじめ国民に説明すべきだとしています。