中国の習近平国家主席は、北京オリンピックの開会式に出席した各国首脳などを歓迎するレセプションで、「国際社会はもっと団結すべきだ」と述べ、人権問題を理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明しているアメリカなどをけん制するねらいがあるとみられます。

4日夜行われた北京オリンピックの開会式には、20か国余りの首脳などが出席し、5日、習近平国家主席は人民大会堂で歓迎のレセプションを開きました。



国営の新華社通信によりますと、この中で習主席は「新型コロナを克服し、オリンピックを予定どおり開催するという国際社会との約束を果たすため最大限の努力をしてきた。歴史に残る大会になると信じている」とあいさつしました。

そのうえで、人権問題を理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」の動きが相次いだことを念頭に、「国際社会はもっと団結すべきであり、真の多国間主義を実践し、国連を中心とするシステムと国際法に基づく秩序を堅持すべきだ」と主張しました。



これに先立って習主席は、4日のロシアのプーチン大統領に続き、5日もエジプトやセルビアの大統領などと相次いで会談を行いました。



習主席としては、感染拡大以降、控えてきた対面での会談などを行うことで、各国との関係強化に加え、「外交的ボイコット」を表明しているアメリカなどをけん制するねらいがあるとみられます。