去年、バルト3国のリトアニアに台湾の出先機関が開設され中国が反発を強めるなか、EU=ヨーロッパ連合は、中国がリトアニアとの貿易を制限しているのは不当だとして、WTO=世界貿易機関に提訴しました。

バルト3国のリトアニアが去年、「台湾代表処」という名称で台湾の出先機関の開設を認めたことに中国は強く反発しています。



EUによりますと、中国は先月からリトアニアとの貿易を大幅に制限しているほか、中国向けの輸出を行っている複数のEU加盟国の企業にリトアニア製の部品を使わないよう求めているということです。



EUは、中国がリトアニアを差別的に扱い国際的な貿易ルールに違反しているとして27日、WTO=世界貿易機関に提訴しました。



EUの執行機関、ヨーロッパ委員会は先月、こうした経済的な圧力に対して状況に応じて関税の引き上げや輸出入の制限といった通商分野での対抗措置をとる方針を示しています。



しかし、措置の導入に必要な加盟国やヨーロッパ議会の承認はまだ得られていないことから、ヨーロッパ委員会で通商政策を担当するドムブロフスキス執行副委員長は27日、各国や議会にすみやかな対応を求めました。