軍事的な緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、フランスのマクロン大統領は、緊張緩和に向けて外交的な働きかけを続ける一方、ロシアがウクライナに侵攻した場合には、「非常に高い代償を払うことになる」と述べ、ロシアを強くけん制しました。

ロシアがウクライナ国境周辺で大規模な軍の部隊を展開し緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、マクロン大統領は25日、ドイツを訪問し、ショルツ首相と会談しました。



会談に先立って行われた記者会見でショルツ首相は「事態の打開に向けた前進の可能性を探るために、あらゆる機会を利用して真剣な議論を行う必要がある」と述べたほか、マクロン大統領は今週、プーチン大統領と電話会談することを明らかにし、緊張緩和に向けて一致して外交的な働きかけを続けていくことを強調しました。



一方でマクロン大統領は「対話と同時に、軍事的な侵攻に対して、われわれは共通の対応を用意している。侵攻は非常に高い代償を払うことになる」と述べ、ロシアを強くけん制しました。



ウクライナ情勢をめぐっては、ロシアとウクライナ、それにフランスとドイツを加えた4か国の高官による協議が26日にパリで開かれる予定で、外交的な解決に向けて各国による協議が続けられています。

米供与の軍事物資 ウクライナに到着

ウクライナの首都キエフの郊外にある空港には25日、アメリカがウクライナに対し、自衛のために供与した2億ドル、日本円にして230億円規模の軍事物資を載せた航空機が到着しました。



ウクライナに駐在するアメリカの臨時代理大使は空港で記者団に「アメリカはウクライナや同盟国、友好国とともにあるという明確なメッセージだ」と述べました。



また、ウクライナ国防省の高官は「主権や領土保全のために戦うわれわれへの支援を感謝する」と述べました。



アメリカ国務省によりますと、ロシアが一方的にウクライナ南部のクリミアを併合した2014年以降、アメリカはウクライナに対し、総額27億ドル、日本円にして3000億円以上の軍事支援を行っていて、仮に、ロシアが侵攻した場合、支援を増強するとしています。