IMF=国際通貨基金は、ことしの世界経済全体の成長率が去年より1.5ポイント低い4.4%になるという予測を示しました。インフレが長期化するアメリカとゼロコロナ政策による厳しい制限を行う中国で、成長が鈍化するためだとしています。

IMFは25日、最新の経済見通しを発表し、ことしの世界全体の成長率は4.4%と、ワクチンの普及などで大幅な回復となった去年の5.9%から1.5ポイント下がる見通しです。



このうちアメリカは去年の5.6%から4.0%に下がるとし、供給網の混乱に伴うインフレの長期化に加え、バイデン政権の看板政策である大型の歳出法案の成立の見通しが立たないことを要因に挙げています。



また、中国は去年の8.1%から4.8%に下がると予測し、政府のゼロコロナ政策に基づく厳しい行動制限で個人消費の回復が遅れることや不動産分野の縮小も影響するとしています。



このほかユーロ圏は去年の5.2%から3.9%に、イギリスは7.1%から4.7%にそれぞれ下がる見通しです。



一方、日本は経済活動の規制が長引いて去年の成長率が1.6%に抑えられ、ことしは3.3%に改善するとしています。



IMFは、先行きのリスクとして、アメリカの金融の引き締めが新興国に与える影響を挙げていて、来年の世界全体の成長率は3.8%と、ことしよりもさらに減速すると見込んでいます。