配車や料理の配達、金融サービスなどをスマートフォンのアプリで幅広く提供する東南アジア最大規模の企業「グラブ」が、アメリカのナスダック市場に上場することになりました。時価総額は日本円で4兆円を超える見通しです。

発表によりますと、シンガポールを拠点とするグラブは、IT関連企業の多いアメリカのナスダック市場に株式を上場することになりました。

アメリカの投資会社が設立したSPACと呼ばれる特別会社と合併して上場する形をとり、数か月以内に株式市場での取り引きが始まる見通しです。

時価総額は396億ドル、日本円でおよそ4兆3000億円に上ると見込まれ、会社は東南アジアの企業によるアメリカでの過去最大の上場になるとしています。

グラブは東南アジア各国で、配車や料理の配達、金融など幅広いサービスをスマホを通して提供していて、そのアプリは多様な機能を持つ「スーパーアプリ」とも呼ばれています。

新型コロナウイルスの感染が広がる中でも事業は拡大していて、去年の売り上げは日本円でおよそ1700億円と、前の年に比べて60%増えたということです。

一方で、デジタル経済の分野では多くの企業が参入して競争も激しくなっていることから、会社は上場で得た資金を活用してサービスの強化につなげるねらいです。