中東のイランで、東京オリンピック・パラリンピックに出場する予定の選手らに対し、新型コロナウイルスのワクチン接種が始まりました。イランでは感染が拡大する中、国民のほとんどがワクチンを接種しておらず、特例として認められた形です。

対象は300人近く

イランの首都テヘランでは13日、東京オリンピック・パラリンピックに出場する予定の選手やコーチ、それに取材で同行する記者など300人近くを対象に新型コロナウイルスのワクチン接種が行われました。

会場にはバスケットボールや空手、テコンドーなどの選手らが次々に訪れ、ひとりずつワクチンの接種を受けていました。

選手たちは今後1か月以内に2回目の接種を行うということです。

21歳の空手の女子選手は「感染が気がかりだったが、心を落ち着けて試合に向かうことができる。オリンピックではベストな結果を勝ち取りたい」と話していました。

また、32歳のテコンドーの男子選手は「安心して練習に励むことができる。ワクチンの接種は良いことだ」と話していました。

イランでは1日あたりの新規感染者数が、13日には2万4000人を超え、これまでで最も多くなっていますが、ほとんどの国民はワクチンを接種しておらず、東京オリンピック・パラリンピックに出場する選手らへの接種は特例として認められた形です。

イラン国民 ワクチン接種に理解示す

東京オリンピック・パラリンピックに出場する選手らへのワクチン接種についてイランでは国民からは理解を示す声が聞かれます。

首都テヘランに暮らす58歳の男性は、「選手たちはワクチンを接種し、安心して大会にのぞみよい成果を持ち帰ってほしい」と話しています。

また、39歳の会社員の女性は、「世界中でアスリートたちも新型コロナウイルスに感染しているわけで、選手たちの安心のためにも、接種すべきだ」と話していました。

35歳の男性は「確かに選手たちは接種の優先順位のトップに入ってなかったかもしれないが国際的な大会に出場するのだから、ワクチン接種は正しいと思う」と話し、選手たちへのワクチン接種に理解を示していました。