アメリカのバイデン大統領はロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシアがウクライナ東部との国境地帯などで軍の部隊を増強させていることについて、緊張緩和を呼びかけるとともに、第3国での首脳会談の開催を提案しました。

数か月以内に第3国で

アメリカのバイデン大統領は13日、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ロシアが3月以降、ウクライナとの国境地帯や7年前に併合したクリミア半島で軍の部隊を増強させていることなどについて意見を交わしました。

ホワイトハウスの声明によりますと、バイデン大統領は「アメリカはウクライナの主権と領土の保全への確固たる決意を示すとともに、ロシアに懸念を伝え、緊張緩和を呼びかけた」ということです。

そして「アメリカの国益と合致するロシアとの安定的で予測可能な関係を築いていく考えを伝えた」としたうえで、数か月以内に第3国で首脳会談を行うことを提案したとしています。

一方、ロシア大統領府も声明を発表し、プーチン大統領がウクライナ東部の情勢について意見を交わしたとしたうえで、政治的な解決に向けた対応を説明したとしています。

ホワイトハウスはこのほか軍備管理やアメリカ側が主張する、ロシアによる大規模なサイバー攻撃などについて議論したとしていて、首脳会談が実現すれば、両国をめぐる幅広いテーマについて議論したいとしています。

アメリカとウクライナ ロシアに対抗姿勢示す

ロシアがウクライナ東部との国境地帯などで軍の部隊を増強させていることについて、アメリカの国務長官とウクライナの外相が会談し、結束してロシアに対抗する姿勢を示しました。

ウクライナ東部では、欧米寄りの政府軍とロシアを後ろ盾とする親ロシア派の武装勢力の紛争が続いていて、ロシアは、3月以降ウクライナとの国境地帯や7年前に併合したクリミア半島で軍の部隊を増強し、ウクライナ政府は、8万人を超える兵力が集結していると分析しています。

アメリカのブリンケン国務長官とウクライナのクレバ外相は13日、ベルギーで会談し、アメリカ国務省によりますと、ブリンケン国務長官は「ウクライナはロシアによる侵略に直面している」と指摘し、ウクライナへ「揺るぎない支援」を約束したということです。

これに対し、クレバ外相は「ウクライナとロシアの闘争は、民主主義と権威主義の闘いでもある。アメリカの支援は絶対に不可欠で、深く感謝している」と述べ、結束してロシアに対抗する姿勢を示しました。