イランが、ことし1月にペルシャ湾で拿捕した韓国船籍のタンカーとその船長を解放したことが明らかになりイラン側の思惑に関心が高まっています。

イランの革命防衛隊はことし1月、海洋汚染を理由に韓国船籍のタンカーを拿捕して乗組員を拘束し、船員19人は解放したものの韓国人の船長の拘束は続けてきました。

9日、韓国外務省は船長とタンカーが解放され現地を無事に出発したと発表しました。船長の健康状態はよくタンカーにも異常はないということです。

韓国との関係をめぐりイラン側は、アメリカの制裁の影響で韓国にあるイランの資金およそ70億ドル、日本円で7600億円余りが凍結されているとして繰り返し非難し、タンカー拿捕は圧力ではないかという見方も出ていました。

これに関連して韓国外務省の関係者は、凍結されている資金を国連機関にイランが支払う義務がある分担金に充てることで事実上、イランに資金を戻す案などをアメリカと協議してきたと明らかにしました。

そのうえで「韓国側の努力がイラン側に伝わり解放の決定に肯定的な影響を及ぼした可能性がある」としています。