4日に行われた北京オリンピックの開会式。


演出の総監督を務めたのは、2008年に行われた夏の北京大会でも演出を務めた映画監督のチャン・イーモウさんです。


2年以上かけて準備してきたという今回の開会式について、革新や大きな変化を意味する「イノベーション」ということばを繰り返し強調しました。

斬新な聖火台 イノベーションと変化を象徴

その1つとして挙げたのが、聖火台です。



これまでの大会では、聖火リレーの最終ランナーが開会式の会場に設置された聖火台に火をともすのが一般的でしたが、今回は出場する国や地域のプラカードを使って作られた巨大な雪の結晶の聖火台に、トーチをそのまま設置する斬新な演出を採用しました。



これについてチャンさんは「聖火台の点火は多くの人が驚いたと思う。イノベーションと変化を象徴するもの」と話しました。



そして聖火台のコンセプトについて「聖火台は各国を代表している。聖火の炎が大きくないので低炭素で環境にやさしいコンセプトに合致している。また、伝統的な中国の美を表現したかった」と述べました。



そのうえで「ともに未来へ、まさに人類の連帯を示したかった。困難な時期に直面している世界に対して、あたたかい気持ちを届けることができた」と手応えを口にしました。

出演者にもこだわり

開会式の出演者にもこだわりをみせました。



これまでの大会でよく目にする俳優などの有名人は起用せず、参加した3000人のほとんどが学生だということで「彼らを通して団結、連帯する人たちを見せた。このような規模のパフォーマンスでプロのアーティストが出てこないのは珍しい。こういう形にできてうれしい」と振り返りました。

コロナ禍の開催 難しさに直面

一定の手応えを口にする一方で、去年の東京オリンピック・パラリンピックと同様に、コロナ禍での大会開催による難しさにも直面していました。



チャンさんは「2年以上、準備してきたが、パンデミックが大きな課題で、コロナ対策を行う必要があった。研修やリハーサルに加え、チームワークにも悪影響が出た」と苦悩をにじませました。

イノベーション・創造性を実現

それでも、およそ2時間半にわたって行われた開会式の点数について聞かれると「クリエーターとして自分には厳しいので、ハイスコアは出さない。ただ、チームに対しては高評価・100点をあげたい。私は監督で支えてくれる人がいたおかげで美しい開会式を開催でき、イノベーション・創造性を実現できた。いろんな評価があると思うが、将来にともに向かって行くというメッセージを強く発信できた」と評価しました。

閉会式は?

そして、今月20日に行われる閉会式について「最後にアスリートたちが喜び、満たされ、友人に別れを言えるような閉会式にしたい。2008年のオリンピックについてもフィーチャーしたい」と演出の一部について明らかにしました。