北京オリンピックの開幕まで1週間を切る中、世界各地から中国入りしている大会関係者の間で新型コロナウイルスの感染確認が相次いでいて、警戒感が高まる中で大会の準備が進められています。

オリンピックの開幕まで1週間を切り、北京や隣接する河北省の張家口には、選手やメディアなどの大会関係者が、世界各地から続々と訪れています。



ただ、北京オリンピックの大会組織委員会によりますと、空港や外部の人と接触できないいわゆる「バブル」の中で、27日までに69人が新型コロナウイルスの検査で陽性と判定されたということです。



中国としては、大会期間中にさらに感染者が増えることは避けたい考えで、警戒感が高まる中で大会の準備が進められています。



また、今月15日に、変異ウイルス、オミクロン株の感染が初めて確認された北京では、訪れる人に出発前と到着後のPCR検査を義務づけるなど感染拡大に神経をとがらせています。



こうした中で、今回の大会では、一般向けのチケットは販売されず、観客は招待したグループに限定されることになり、市民からは「残念だがテレビで見るしかない」といった声も聞かれています。



一方、中国外務省は28日、ロシアのプーチン大統領など25の国の代表が、オリンピックの開会式に出席するため、中国を訪れると明らかにしました。



習近平国家主席は、歓迎レセプションを開いて訪れる要人をもてなす予定で、中国としては、アメリカやイギリスなどが政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明する中、訪問国との関係強化を図りたい考えがあるものとみられます。

人の移動などの制限 「景気の重荷」指摘も

中国では、オリンピックの開幕を前に新型コロナウイルス対策が強化される中、旧正月の春節に合わせた連休中の人の移動などが制限されることが景気の重荷になるという指摘が出ています。



中国各地の当局は、今いる場所で春節を迎えるよう呼びかけていて、感染者が出ている都市から来た人に対して14日間の隔離を求める都市もあるほか、北京では、訪れる人に出発前と到着後のPCR検査を義務づけています。



このため、春節にあわせた今月31日からの大型連休では、省などをまたぐ移動が例年より減少すると予想されていて、大手のオンライン旅行会社によりますと、この時期の旅行商品の予約のうち同じ省内の旅行が65%を占めているということです。



北京市内にあるスキー場では、ウインタースポーツの人気が高まっていることもあって、平日の日中でも大勢の客が訪れていましたが、多くは市内からの客です。



スキー場内にあるスノーボード用品の販売店によりますと、市外からの客が減っているため、全体の客の数はコロナ前と比べるとやや少なくなっているということです。



店員の男性は「北京から出られないので市内から来る客が多くなっています。以前は北京以外からの客も多くいましたが、今は来られなくなっています」と話していました。



また、旅行客の減少は、北京市内の観光地にとって痛手となっていて、このうち世界遺産・故宮ではコロナ前と比べて人出が大きく減り、周辺の店の経営を圧迫しています。



近くで3軒の飲食店を経営する女性は「コロナで旅行客が減り、ことしはさらにオリンピックの開催で感染対策が厳しいので、客が少なくなると思います。こんな状況なので店はすべて閉めています」と話していました。



In China, one of the factors behind the economic slowdown is the stagnation of personal consumption due to the effects of the "Zero Corona" policy, which thoroughly curbs infections.



In the past, there are concerns that the economic impact will spread if strict infection control measures continue during this period when consumption such as travel and eating and drinking is activated.