北京オリンピック開幕まで25日であと10日です。開幕を前にIOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長など大会関係者が続々と現地入りしていて、滞在先のホテルやメディアセンターなど関係する施設では新型コロナウイルスの感染拡大を防ごうとさまざまな対策がとられています。

北京オリンピックは来月4日から開幕し17日間の日程で行われます。



25日で開幕まで10日となる中、IOCのバッハ会長など大会関係者が続々と現地入りしています。



オミクロン株の世界的な感染拡大に伴い大会組織委員会では徹底した新型コロナウイルス対策を打ち出していて、去年の夏の東京大会と同様に大会関係者が外部と接触できないようにするいわゆる「バブル方式」を採用しています。



「バブル」に入る関係者は入国する前の2回と空港に到着したあとの合わせて3回、PCR検査を受けて陰性であることが必要なうえ、滞在中は全員に1日、1回の検査が義務づけられるなど、東京大会よりも厳しい措置がとられています。



また競技会場やメディアセンター、それに宿泊施設以外に立ち寄ることは禁止されていて、移動手段は専用のバスやタクシーに限られています。



大会の医療専門家会議で座長を務めるマクロスキー博士は、「バブル内のコロナ対策は機能している。感染ゼロではなく、感染拡大ゼロを目標としていく」としています。

メディアセンター 人を介さない配膳システム

「バブル」内にある施設のうち、北京市内にある報道関係者の取材拠点、メインメディアセンターも感染対策としてこまめな清掃作業のほか、夜間になると大がかりな消毒作業が連日行われています。



メディアセンターの地下には報道関係者向けに食堂が設けられていて、ここでは感染リスクを抑えるために調理から配膳までを人の手を介さず行うシステムが導入されています。



利用者が注文すると具材が入った鍋が自動で調理を始め、料理が完成するとロボットが天井に設置された通路を移動して注文した人の席の上まで運び最後は料理をワイヤーでつり下げて届けるようになっています。



この食堂を利用していたフィンランドのメディア関係者の女性は「このようなシステムを見たのは初めてでとてもおもしろい。食べ物もすぐに来るし、うまく機能している」と話していました。



食堂で働いている従業員の女性も「利用者と接する機会を減らすことができるので安心感がある」と話していました。



また、施設内ある郵便局では荷物に対しても念入りな消毒作業が行われています。



海外からの荷物はいったん別の場所で消毒を行ったうえで、2日間保管したあとメディアセンターに運ばれます。



さらに受け取り先の人に渡す際にも消毒が行われています。

開幕目前で対策さらに強化

北京では今月15日以降、新型コロナウイルスの市中感染が局所的に起きていて、北京市は25日の記者会見で、無症状の人を含めこれまでに67人の染が確認されたとしています。



このうち61人がデルタ株の感染者で、変異ウイルスのオミクロン株の感染者は6人だということです。



市当局は、感染者が最も多い豊台区で、街なかに臨時の検査場を設け、23日に続いて25日もおよそ200万人の区民全員を対象にPCR検査を行うなど、感染者が出た地域を中心に大規模な検査をしています。



さらに、今月22日から北京市内に入る人全員に、到着後72時間以内のPCR検査を義務づけたのに加え、23日からは解熱剤やせき止め薬などを購入する人にも検査を義務づけるなど、オリンピックの開幕を目前に控え感染の拡大を防ごうと対策を強化しています。