IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長は8日に開かれた理事会でこの夏の東京オリンピックを全世界で延べ30億人を超える人がテレビやインターネットを通じて視聴したなどとする調査結果を受けて「大会は大成功という評価で一致した」と述べました。

IOCは8日、オンラインで理事会を開き、この中で、この夏の東京オリンピックに関する調査結果などが報告されました。

それによりますと今回のオリンピックをテレビやインターネットを通じて視聴した人は全世界で延べ30億人を超えるということです。

このほか、選手からは大会の開催を高く評価されていることなどが紹介され、バッハ会長は、理事会後の会見で「東京大会が安全に開催され大成功だったという評価で一致した。新型コロナの陽性率が極めて低く抑えられたことは対策が効果的だったことを物語っている」と述べました。

また、来年の北京大会についてアメリカやオーストラリアなどが相次いで政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明していることを受けて「IOCとして常に気にかけているのは選手の参加だ。今回、外交的ボイコットを表明している国も選手は参加すると強調している」として、大会の開催に大きな影響はないという見方を示しました。

一方で、中国の前の副首相との関係を告白したのち、行方が分からなくなっていると伝えられる女子テニスの彭帥選手とバッハ会長が電話で話したことは政治的な中立の原則に反するのではないかという質問に対しては「われわれは人権問題を含むオリンピックに関係するすべてのことに責任がある」と述べて、今回の彭選手との対話はIOCの政治的中立に反しないと答えました。

2030年冬の札幌の開催概要計画を評価

IOCのバッハ会長は理事会後の会見で2030年の冬のオリンピック・パラリンピックの招致を目指している札幌市について「2030年には東京大会以上の新型コロナ対策は求められないと思う。また、札幌は既存の施設の利用という点においては、東京の招致活動と出発点が大きく異なる」として競技会場について既存施設の活用にめどが立った札幌市の新たな開催概要計画を評価しました。