競泳の日本選手権で東京オリンピック代表に内定した池江璃花子選手が、開幕まで100日となる14日、オンラインで取材に応じ「本番までにタイムがあと何秒縮まるのか、ワクワクしている」と心境を語りました。

池江選手は、3年ぶりの出場となった競泳の日本選手権で大会4冠を達成し、リレーの2種目で東京オリンピックの代表に内定しました。

池江選手は今月11日から始まった代表合宿に参加していて14日、3年ぶりに袖を通した日本代表のジャージ姿で報道陣の取材にオンラインで応じました。

池江選手は「いまだに4冠した実感がない。泳げば泳ぐほどに自信がつき、楽しいなと思ってレースしていた」と日本選手権を振り返ったうえで、11レースに出場したあとの体の状態については「大会が終わった次の日に疲労がきて、体が重いなという感じだったがいまは意外と大丈夫」と答えていました。

オリンピックの代表内定については「やっと代表に戻ることができすごくうれしい」と笑顔を見せたうえで「オリンピック選手として結果を出したいと思うし、いまは大変な時期ではあるけれど日本の競泳の代表として頑張ることでスポーツの力を広め、勇気を与えていきたいと感じている」と引き締まった表情で話しました。

東京オリンピックまできょうであと100日となったことについては「あっという間だなと思う。あと3か月しかないと思う反面、3か月もある。自分がこの1か月、2か月でどれだけタイムを縮めてきたのか考えると、あと何秒縮まるのだろうというワクワクもすごくある」と話しました。

そのうえで開会式の翌日、競泳の競技初日から始まる女子400メートルリレーに向けて、「私はリレーが好きで、いちばん力を発揮できる種目だと思っている。自分ができることを精いっぱいやってチームに貢献し、いい流れを作りたい」と意気込みを話しました。

キャプテンは4大会連続出場の入江「チーム力で」

男女33人が代表に内定した日本の競泳陣のキャプテンに、4大会連続のオリンピック出場となる31歳の入江陵介選手が就任することになりました。

入江選手は13日行われたチームのミーティングで指名されたということで、「年齢が真ん中くらいの選手がやることが多いので、最年長の自分がやるとは思わずびっくりしたが、3大会を経験しているので経験を伝えてひっぱるというより背中を押すようなキャプテンでありたい」と話しました。

また自身がリレーを含めて3つのメダルを獲得した2012年のロンドン大会を振り返り「ロンドンでは3位と4位のせめぎあいの末、わずかな差で銅メダルを獲得したり、9番手だったのが決勝に残ったりする日本選手が多かった。1つの順位や最後の0.01秒を後押しするのはチーム力。競泳は個人種目と思われがちだが、チーム力をもってやりたい」と抱負を語りました。

萩野「人生をかけてトレーニングしたい」

競泳の日本選手権で男子200メートル個人メドレーと男子800メートルリレーで代表に内定した萩野公介選手は「“すぐだな”、“あっという間にきちゃうな”と思っている。ただ100日しかない一方で、毎日全力でトレーニングすると考えれば“100日も”になる。残り数か月、人生をかけてトレーニングしたい」と話しました。

萩野選手は大会本番で目指すメダルの色について尋ねられると、「僕の中でそういう形での水泳への向き合い方は終了した。いまは自分の力を100%出し切ることだけに専念している。世界の舞台でもう一度、全力でチャレンジしたい」と話していました。

瀬戸「過去は変えられない どう活躍するかだけを考える」

競泳の瀬戸大也選手はすでに代表に内定していた個人メドレー2種目に加え、日本選手権の男子200メートルバタフライで派遣標準記録を切って2位となり、合わせて3つの種目で内定しました。

瀬戸選手は東京オリンピックが1年延期されたことについて「延期でモチベーションが保てず引退した選手もいる。4年に1度、死に物狂いでぶつかることに価値があると思っていたし、結果を出すために本気でやってきた選手からすれば1年延期は正直、不公平です。4年に1度ではない時点で自分の中ではもやもやするが、オリンピックで金をとればオリンピックチャンピオン。いつやっても絶対、金をとってやるという気持ちでいました」と振り返りました。

そのうえで100日後の開幕に向けては「自分がしてしまった行動でたくさんの方に迷惑をかけ、裏切ってしまったことには変わりはない。過去は変えられないので、1人の人間としてどう成長し、1人のアスリートとしてどう活躍していけるかだけを考えて頑張っていきたい」と話していました。

急成長の佐藤「100日はすぐ 悔いなく泳ぐ」

この1年で急成長を遂げ男子200メートル平泳ぎで金メダル獲得を目指す佐藤翔馬選手は「代表選考会までの100日も本当に一瞬だったので、オリンピック本番までの100日は本当にすぐだと思う。準備できる期間は短いが、できることをすべてやって悔いないように泳ぎたい」と話していました。