レスリングの東京オリンピックアジア予選で、女子50キロ級に出場した21歳の須崎優衣選手が、初めてのオリンピック代表内定を確実にしました。

レスリングの東京オリンピックアジア予選は9日からカザフスタンで始まり、2位以内に入れば代表に内定します。

このうち、10日に行われた女子50キロ級は5人による総当たり戦で争われ、須崎選手は初戦を10対0、2試合目を11対0と、いずれもテクニカルフォールで勝ちました。

インドの選手と対戦した3試合目は、寝技を中心にポイントを重ねて10対0とし、3戦連続のテクニカルフォールで3連勝としました。

この時点で、3戦全勝が須崎選手など2人だけで1敗がいなくなったため、最終戦を残して須崎選手の2位以内が確実となり、東京オリンピックの代表内定が確実になりました。

須崎選手は初めてのオリンピックで、女子はこれで6つの階級すべてで代表が内定することになります。

須崎選手は千葉県松戸市出身、21歳の早稲田大学4年生です。

スピードに乗ったタックルを中心とする攻撃力が最大の持ち味で、中学と高校は、JOC=日本オリンピック委員会が若手の英才教育をする「エリートアカデミー」で実力を磨きました。

10代だった2017年と2018年の世界選手権で2連覇するなど、国際大会ではいまだ負け知らずで、オリンピックの金メダル候補として期待されてきました。

リオデジャネイロオリンピック、金メダリストの登坂絵莉選手や全日本選手権を3回制した入江ゆき選手など、強力なライバルとの代表争いを勝ち抜いた末に初めてのオリンピック代表の座をつかみました。

国際大会で負け知らずの金メダル候補

女子50キロ級の須崎優衣選手は、千葉県松戸市出身の21歳、早稲田大学4年生です。

スピードに乗ったタックルを中心に、多彩な技による攻撃力が最大の持ち味です。

小学1年生から父がコーチを務めるクラブでレスリングを始め、中学2年生から高校3年生までは、JOC=日本オリンピック委員会が若手の英才教育をする「エリートアカデミー」で実力を磨きました。

中学時代は、出場したすべての大会で優勝するほどの強さを誇り、高校2年生のときに全日本選抜選手権と全日本選手権で続けて初優勝するなど、頭角を現しました。

2017年と2018年の世界選手権で2連覇するなど、国際大会ではいまだ負け知らずで、東京オリンピックの金メダル候補として期待されてきました。

早稲田大学に進学してからは力の強い男子との練習にも取り組み、スピードだけでなく組み手の技術やパワーも身に、持ち前の攻撃力がさらに強化されました。

東京オリンピックに向けては、リオデジャネイロオリンピック、金メダリストの登坂絵莉選手や全日本選手権を3回制した入江ゆき選手などライバルとのしれつな代表争いを勝ち抜き、アジア予選代表の座をつかみました。

アジア予選は1年以上延期され、ほかの階級に比べて内定は大きく遅れましたが、「強くなる時間をいただいた」と前向きに練習に取り組んできました。

今大会は、タックル、組み手、寝技などすべてで相手を圧倒し、3試合で1ポイントも失うことなく3戦連続のテクニカルフォール勝ちと強さを見せつけました。

激戦の女子最軽量級制し代表内定確実に

須崎優衣選手が東京オリンピック代表内定を確実にした女子で最も軽い階級は、日本がこれまでメダルを逃したことがなく得意にしてきました。

レスリング女子がオリンピックで初めて採用された2004年のアテネ大会と、次の2008年の北京大会は当時、最も軽い48キロ級で伊調千春選手が銀メダルを獲得しました。

さらに2012年のロンドン大会で小原日登美選手が金メダル、2016年のリオデジャネイロ大会では登坂絵莉選手が金メダルを獲得し、日本が2連覇中です。

2004年以降の世界選手権でも14回のうち9回で優勝し、須崎選手を含む4人の世界チャンピオンを輩出しました。

「世界で勝つより日本で勝つほうが難しい」と言われるほどレベルの高い階級だけに、東京オリンピックに向けて国内で激しい代表争いが繰り広げられ、須崎選手と登坂選手、それに入江ゆき選手がしのぎを削りました。

須崎選手は、特に入江選手に苦しめられ、おととし、東京オリンピックの代表権が懸かる世界選手権の代表決定戦でも敗れて、一時は、東京オリンピックの出場が難しい状況となりました。

しかし、入江選手が世界選手権で内定できなかったため代表争いが白紙に戻り、須崎選手がその年の全日本選手権で入江選手を破って優勝し、国内の代表争いを制しました。

女子のほかの5つの階級に比べ、オリンピックの代表内定は1年以上遅くなりましたが、激戦を制して初めてのオリンピックに臨む須崎選手が本番でどのような戦いを見せるのか、期待が高まります。