北京オリンピック、スノーボード、女子パラレル大回転の決勝トーナメントが行われ、6大会連続出場の竹内智香選手と初出場の18歳、三木つばき選手はいずれも1回戦で転倒し、途中棄権となりました。
スノーボード女子パラレル大回転の決勝トーナメントには予選の合計タイムで上位16人が進み、2人の選手が左右に並んだコースを同時に滑ってタイムを競います。
初出場で高校3年生の三木選手は予選3位、ソチオリンピックで銀メダルを獲得し、日本の女子選手として最多の6大会連続出場となる竹内選手は予選15位で決勝トーナメントに進みました。
竹内選手は1回戦でドイツの選手と対戦し、相手のスピードに食らいついていきましたが後半のターンでミスが出て大きく転倒しました。
竹内選手は最後まで滑り続けましたが「途中棄権」と判断されて1回戦敗退となりました。
一方、1回戦でスロベニアの選手と対戦した三木選手も中盤で転倒し、途中棄権となりました。
今大会は予選から転倒する選手が相次いでいて、いかにミスをせずに滑り切るかがポイントの1つでしたが、日本選手2人も転倒によって敗れる悔しい結果になりました。
竹内「ここにいられることに感謝」
予選を15位で通過した竹内選手は「1回目はオリンピックの空間を楽しんで滑ることができ、2回目は確実に決勝に進むことを考えて滑った」と振り返りました。
そして「ここにいられることに感謝している。最後まで楽しみたいし、応援してくれる皆さんにいい結果で恩返しをしたい。自分自身にとって最高な1日にすれば皆さんにとってもいい1日になるのではないかと思う」とこのあとの決勝トーナメントに向けて意気込みを示しました。
三木「自分のベストの滑りを心がけて」
予選3位で通過した三木選手は「1回目は自分の思う滑りができたと思うが、2回目は少し板が暴れてしまうなど、思うようにいかないところもあった」と反省を交えて振り返りました。
このあとの決勝トーナメントに向けては「もっと速くなる要素はあると思う。表彰台に上がるという目標を立てているが、何よりも自分のベストの滑りを心がけて頑張りたい」と意気込みを語りました。
6回目のオリンピックは「自分へのご褒美」
「自分へのご褒美」と表現した6回目のオリンピック。
竹内智香選手は、2年半の休養を経て臨んだ北京大会で、充実した表情を見せました。
前回のピョンチャン大会からおよそ2年半の間、競技の第一線から離れた竹内選手。
最初の1年はヨガやスキューバダイビングなどを趣味として取り組んでいました。
そんな中、知り合いとリフレッシュの一環で滑ったスノーボードで気付かされた思いがありました。
「スノーボードってこんなに楽しいものなんだ」。
いったん離れたことで気付いたスノーボードの魅力。
競技復帰への思いが高まり、再びオリンピックを目指すことを決断しました。
ただ、2年半のブランクからの復帰は想像していたよりもはるかに厳しいものでした。
一緒に練習するチームメートと滑った際には、フィニッシュタイムが5秒近く遅れることもありました。
年齢も30台後半、フィジカル面を戻すのにも苦労しました。
復帰を宣言しながら「取り消そうかな」と考えることもあったといいます。
それでも競技を離れているときに感じたスノーボードの“楽しさ”が上回りました。
さらに、練習をすればするほどアスリートとして「勝ちたい」という思いが強くなっていったといいます。
世界選手権やワールドカップで結果を残し、6大会連続でオリンピック代表の座をつかんだ竹内選手。
北京大会目前には「オリンピックに合わせられるのが強い選手で私はそれができるタイプ」と自信をのぞかせていました。
一方、さまざまな経験をしたことで視野が広がり「遠足にいくようなわくわく感がある」とも話していました。
結果だけを求めて苦しくなっていたこれまでと異なる心境が生まれていたのです。
6回目の出場ではメダル獲得はなりませんでしたが、10代から出場を続けた大舞台のレースで充実した表情を見せました。