北京オリンピックの開会式で、聖火リレーの最終ランナーを務めて注目されたウイグル族の中国選手が、開会式翌日の5日行われたスキー クロスカントリーの女子スキーアスロンに出場し43位でした。

この選手は中国代表の20歳、ディニグール・イラムジャン選手です。



大会の公式ホームページによりますと、新疆ウイグル自治区の都市アルタイの出身で、4日夜に行われた開会式で漢族の男性選手とともに聖火リレーの最終ランナーを務めました。



新疆ウイグル自治区をめぐっては、中国政府による人権侵害が行われているとして、アメリカなどが今大会、政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明していて、ウイグル族の選手の起用はこうした批判をかわすねらいもあったのではないかと指摘されています。



ディニグール選手は開会式翌日の5日夕方、北京に隣接する河北省張家口で行われたスキー クロスカントリーの女子スキーアスロンに出場し、トップからおよそ6分遅れの43位でした。



レース後には多くのメディア関係者が取材エリアで待機したものの、ディニグール選手は姿を見せなかったということです。



オリンピック専門のインターネットメディアは「ディニグール選手は大会の象徴的存在として話題を作ったが、スキー選手としては作れなかった」などと伝えました。



また、アメリカの有力紙、ワシントン・ポストは「中国政府はウイグル族の選手を政治的に利用している」として、国際社会が中国により強い対応をとるべきだとする人権団体の主張を伝えています。