北京オリンピック、6日に行われたフィギュアスケート団体の決勝、最初の種目となる男子シングルのフリーで、日本の鍵山優真選手は今大会に向けて取り組んできた3種類目の4回転ジャンプ、4回転ループを着氷するなど高難度の構成に果敢に挑み、自身初となるフリーでの200点超えを果たしました。

羽生、チェンに続く200点超

鍵山選手は世界選手権の銀メダリストとして迎えた今シーズン、オリンピックを見据えてシーズン当初から新たな4回転ジャンプの4回転ループや4回転ルッツの習得を目指してきました。



このうち今シーズンは感触の良かった4回転ループを構成に入れましたが、シーズン序盤の2試合でいずれも成功出来ず、その後は不調もあって調整も遅れたことなどからグランプリシリーズと全日本選手権では4回転ループへの挑戦を回避しました。



鍵山選手は全日本選手権を終えたあと「ループを入れられなかったことに悔いが残っている。もっと上を狙えたのにまた3位になってしまった」と話し3年連続で3位に終わった悔しさをあらわにしました。



初出場のオリンピックに向けては改めて金メダルを目指すと誓い大会までの1か月間は4回転ループの精度を高める練習を繰り返し、先月の中旬には1日数本はミスなく着氷できるようになっていました。



「4回転ループを入れる以外の練習はしてこなかった。それ以外の構成は考えていない」



北京に到着した後も挑戦への意思は固く、練習では失敗も多かったものの何度もチャレンジして本番での成功をイメージしてきました。

6日は日本が初のメダルを狙う団体ということもあり、リスクを抑えるために構成の難度を下げる選択もありましたが、鍵山選手は攻めの姿勢を崩しませんでした。



4回転ループは着氷が乱れるミスはあったものの、出来栄え点はプラスの評価を得ました。



基礎点が高くなる後半には4回転からの3連続ジャンプを新たに入れて目標としていたフリーでの200点超えを初めて達成しました。



男子シングルのフリーでこれまで200点を超えたことがあるのは羽生結弦選手とアメリカのネイサン・チェン選手だけです。



演技後のインタビューで「これだけ良い演技ができても上には上がいる。きょうはミスもあったのでもっと良い演技ができると思う」と力強く語った鍵山選手。8日から始まる男子シングルで世界のトップにどこまで迫ることができるのか、伸び盛りの18歳の演技から目が離せません。