来月4日の北京オリンピック開幕まで28日でちょうど1週間です。


これを前に27日、聖火リレーの出発式のリハーサルが行われ、新型コロナウイルスの感染拡大に警戒を強める中、準備を進めていることを示しました。

北京オリンピックの聖火リレーは、来月2日から4日までの3日間にわたって、オリンピックの会場となる北京と隣接する河北省の張家口で行われます。



国営の新華社通信によりますと27日、聖火リレーのスタート地点となる北京市内の公園で出発式のリハーサルが行われました。


聖火リレーには、およそ1200人のランナーが参加しますが、新型コロナウイルスの感染対策のため、公道を走らず、封鎖した区域の中だけで実施されることになっています。


中国としては、感染拡大に警戒を強める中、リハーサルによって、準備を進めていることを示した形です。



一方、27日は王毅外相がアメリカのブリンケン国務長官と電話で会談し「アメリカは、中国に対して誤った言動を繰り返し、両国関係に新たな打撃を与えている。北京オリンピックへの妨害をやめるべきだ」などと述べました。



アメリカが、中国の新疆ウイグル自治区などでの人権問題を理由に北京オリンピックに政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明する中、中国は、大会を前にけん制を強めています。

北京市内の公園にバッハ会長の胸像設置

開幕を前に、北京市内の公園に、IOC=国際オリンピック委員会のバッハ会長の胸像が設置されました。


台座を合わせた高さは2メートルほどで、公園内には2008年の夏の大会に合わせて設置された近代オリンピックの父と呼ばれるクーベルタン男爵の像や、IOC会長をつとめたサマランチ氏とロゲ氏の胸像もならんでいます。


中国メディアによりますと、バッハ会長の胸像は今月15日、地元当局の支援を受けて設置されたということで、IOCと中国の良好な関係を示しています。



北京入りしているバッハ会長は、25日に習近平国家主席と会談したほか、前の副首相から性的関係を迫られたことをSNS上で告白したとされる女子テニスの彭帥選手との会食が実現するのかにも関心が集まっています。

活動が限られるボランティアは…

北京市内には、市民ボランティアによる臨時の案内所が設置されています。


中国メディアによりますと、案内所は市内の各地で今月25日に本格的な運用が始まりました。


大会に合わせて北京を訪れる人たちの案内を主に担う計画でしたが、感染対策として、会場での観戦は一般向けのチケットが販売されず、国内の招待客に限られることになったため、ボランティアの活動は市民へのPRなどに限られることになりました。



選手村に近い案内所では、27日も、ボランティアの若者たちが市民らにオリンピックの応援メッセージを横断幕に書くよう呼びかけていました。



ボランティアの女性は「新型コロナの影響で訪れる人はあまり多くはないと思いますが、それでもかまいません」と話していました。



一方、北京市内では、今月15日以降、オミクロン株を含めた、新型コロナウイルスの市中感染が局所的に起きています。


当局は、感染者が出た地区を中心に大規模なPCR検査を行うなどして、感染拡大を防ごうと、対策を強化しています。

選手たちの現地入りに向けた動きも本格化

北京オリンピックに出場する選手たちの現地入りに向けた動きも本格化しています。



このうち、中国の人権問題などを理由に政府関係者を派遣しない「外交的ボイコット」を表明しているアメリカでは27日、アイスホッケー女子代表などの出発式がロサンゼルスの空港で行われました。


選手たちは、記念撮影のあと飛行機に搭乗し、北京へと向かいました。