北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)総書記は、新型のICBM=大陸間弾道ミサイルだとする「火星17型」を今月24日に発射したことを受け「強力な攻撃手段をより多く開発し、軍に配備していく」と強調しました。一方、韓国メディアは、米韓両軍が今回発射されたICBM級のミサイルを分析した結果、新型ではなく2017年にも発射された「火星15型」だったと結論づけたと伝えました。

28日付けの北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は、キム・ジョンウン総書記が、今月24日に発射実験に成功した新型のICBMだとする「火星17型」を開発した、科学者らと記念写真を撮影したと報じました。

この中でキム総書記は「圧倒的な軍事力を備えるため、強力な攻撃手段をより多く開発し、軍に配備していく」と述べ、アメリカなどに対抗して核・ミサイル開発をさらに推し進める姿勢を強調したとしています。

一方、韓国の通信社、連合ニュースは、複数の軍・政府消息筋の話として米韓両軍が今回のICBM級のミサイルについて、新型ではなく2017年11月にも発射された「火星15型」だったと結論づけたと伝えました。

その根拠としては、熱を捉えることができる赤外線センサーが搭載された衛星などの情報を分析した結果、エンジンのノズルが「火星15型」と同じ2つで、北朝鮮が公開したノズルが4つある「火星17型」の映像とは一致しなかったということです。

また最高高度がこれまでで最も高い6000キロを超えたことについては「火星15型」の弾頭の重量を軽くするなどして、性能が向上したように装った可能性があるほか、公開された映像や写真も当日の気象状況と一致せず、先月27日や今月5日に発射されていた「火星17型」を撮影したものとつなぎ合わせたとみているとしています。