ロシアによるウクライナに対する軍事侵攻の開始から1か月余りとなります。
ウクライナの各地でロシア軍とウクライナ軍が戦闘を続けていて、大勢の市民が国外へ避難しています。戦闘の状況や関係各国の外交などウクライナ情勢をめぐる29日(日本時間)の動きを随時更新でお伝えします。

(日本とウクライナ、ロシアのモスクワとは6時間の時差があります)

フィンランド国営鉄道 ロシアと結ぶ長距離列車 運行を停止

フィンランドの首都ヘルシンキと第2の都市 サンクトペテルブルクの間では、長距離列車「アレグロ号」が1日に往復2便運行していて、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻を受けて、今月に入ってから出国するロシア人の利用が大幅に増えていました。

列車を運行するフィンランドの国営鉄道会社は、ロシアに対する制裁を受けて対応を検討し、28日から列車の運行を停止すると発表しました。

運行停止を前に、ロシアにいる家族や友人のもとを訪れ、ヘルシンキに戻ってきたという乗客からは「列車が運行を停止すると聞いて予定を早めて出国した」とか、「今後、ロシアを訪れることは難しくなる」といった声が聞かれました。

ロイター通信は、ロシアとEU諸国を列車で結ぶ路線はこれで事実上なくなったと伝えています

ロシア ラブロフ外相 現時点での首脳会談開催に否定的な考え

ロシアのラブロフ外相は28日、メディアのインタビューに対し、プーチン大統領とウクライナのゼレンスキー大統領との首脳会談の可能性について「プーチン大統領が首脳会談を拒否したことはない。ただ、単に『あなたはどう考えているか』といったやりとりをすることは逆効果になるということだ」と述べ、現時点での開催に否定的な考えを重ねて示しました。

その上で「すべての課題の解決策が明確になれば、首脳会談はすぐにでも必要になるだろう」と述べ、会談が実現する条件として、双方による停戦交渉で合意できる見通しが必要だとしています。

ウクライナ西部リビウ 軍関連施設にミサイル攻撃

ウクライナ西部の主要都市リビウでは26日、燃料の貯蔵施設や軍の関連施設がロシア軍によるミサイル攻撃を受け、周辺にある民間の建物にも被害が及びました。

このうちリビウ中心部から南に5キロほどの所にある学校では、26日夜に起きた、軍の関連施設を狙った攻撃の際の爆風で窓ガラスが割れ、あたり一面にガラスの破片が飛び散っています。

学校の校長によりますと、当時、学校にはウクライナ各地から逃れてきた人たちが身を寄せていましたが、防空警報のサイレンが鳴りシェルターに避難したため全員無事だったということです。

校長は「攻撃があったとき、私は学校にいなくてすぐにかけつけた。学校にいる人たちにけががないか心配だったが、みんな無事でよかった。ロシアはわれわれを怖がらせようとしているのだろうが、逆にわれわれは団結している」と話していました。