アフリカや中東で続く若い女性たちの性器の一部を切除する慣習を根絶しようと定められた国際デーに合わせて、国連のグテーレス事務総長は声明を発表し、新型コロナウイルスの流行で各地の女性を守る保健所などが打撃を受け、この慣習の犠牲となる女性が増えるおそれがあると訴えました。

国連は10年前、2月6日を「女性器切除の根絶のための国際デー」に定め、結婚前の女性のいわゆる“純潔”を守ることが目的とされるこの慣習をなくそうと取り組んできました。



このうちアフリカ東部のソマリアでは、この慣習がいかに健康に有害か啓発するキャンペーンが行われた結果、100人近くの女性が自分の娘には行わせないと誓約したということです。



国連のグテーレス事務総長は、国際デーに合わせて声明を出し「例年、400万人以上の女性がこの極端な形式の暴力にさらされるリスクがあるが、悲しいことに、新型コロナウイルスの流行で保健サービスが打撃を受け、さらに多くの女性が危機に直面している」と訴えました。



そのうえで、女性をこの慣習から守る保健所や学校などを支援するよう国際社会に呼びかけました。



国連によりますと、若い女性たちの性器の一部を切除する慣習は主にアフリカや中東の30か国で今も行われていて、中には法律で禁止する国も出てきていますが、伝統的な社会に根強く残っているということです。