ロシアが来月、ウクライナに侵攻する可能性があるとアメリカが警告する中、ウクライナのゼレンスキー大統領は、平静を保つ必要性を強調しました。



国民の間に動揺が広がるなど、国内情勢が不安定化することがロシアの侵攻を招きかねないと警戒しているとみられます。

アメリカのバイデン大統領は、ウクライナのゼレンスキー大統領と27日、電話で会談し、ロシアが来月、ウクライナに侵攻する可能性は十分にあると伝えるなど、アメリカは警戒を強めています。



ゼレンスキー大統領は28日に開いた記者会見で「尊敬する首脳たちですら、あすにも戦争が起きると発言している。これはパニックだ」と述べ、平静を保つ必要性を訴えました。



また、アメリカなどが大使館の職員や家族を退避させる動きを見せていることを念頭に「外交官がいることが重要だ。ウクライナはタイタニック号ではない」と述べ、懸念を示しました。



首都キエフの街なかは、店やレストランも通常どおり営業するなど混乱は見られませんが、ウクライナで今月中旬に行われた世論調査では、ロシアによる軍事侵攻について、「ある」と答えたのは48%で、「ない」と答えた39%を上回るなど、市民の間にも警戒感が広がっています。



ゼレンスキー大統領としては、国民の間に動揺が広がるなど、国内情勢が不安定化することがロシアに弱みを見せることにもなり、ロシアの侵攻を招きかねないと警戒しているとみられます。