香港の警察は反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法」の施行後、この法律に違反したなどとしてこれまでに160人以上を逮捕したと明らかにしました。

香港の警察トップ、蕭澤頤局長は27日会見し、反政府的な動きを取り締まる「香港国家安全維持法」が施行されたおととし6月からこれまでにこの法律に関連する逮捕者が162人にのぼったことを明らかにしました。



このうち、100人以上が起訴されたということです。



この中には、おととし民主派が行った予備選挙に関わったとして、国家政権の転覆をねらった罪で起訴された元議員など47人や、30年以上にわたり天安門事件の犠牲者を追悼する集会を開いてきた市民団体の幹部などが含まれます。



また、中国に批判的な論調で知られた新聞「リンゴ日報」の創業者、黎智英氏と編集者ら6人は外国の勢力と結託して国家の安全に危害を加えた罪で起訴され、新聞は去年6月発行停止に追い込まれました。



さらに「香港国家安全維持法」に関わる事案について、市民からの通報を受け付けるため、おととし11月に設置された専用の窓口には、これまでに23万件以上の通報が寄せられたということです。



香港政府は中国政府への敵対的な行為を取り締まるための新たな法律の制定に向けて、ことし中に着手する方針で、蕭局長は「治安は安定しつつあるが、依然、警戒が必要だ」と述べ、立法化の意義を強調しました。