国会では、午後も衆議院予算委員会で質疑が行われ岸田総理大臣は、新型コロナワクチンの3回目の接種の加速にはモデルナのワクチンの活用が不可欠なことを踏まえ、国民に対し、安全性や効果について、正確で、わかりやすい情報発信に努めていく考えを示しました。

維新 青柳氏 「新しい資本主義」について

日本維新の会の青柳仁士氏は、岸田総理大臣が掲げる「新しい資本主義」について「先週のアメリカのバイデン大統領との電話会談で支持を受けたと発表があったがまだ中身がよくわからない状況の中で、一体、何が支持されたのか非常に疑問だ。中身をしっかりと詰めていくことが最低限、必要ではないか」と指摘しました。



これに対し、岸田総理大臣は「格差や分断、民主主義の基盤である中間層の毀損、気候変動などの課題に向けて、しっかりと取り組んでいくことでバイデン大統領から共感を得てぜひ、同じ問題意識で努力しようという話につながっていった。経済の好循環を完成させ、持続可能な経済をつくるという問題意識は多くの国が共有している」と述べました。

維新 足立 国会議員団政調会長 3回目接種について

日本維新の会の足立国会議員団政務調査会長は、新型コロナワクチンの3回目の接種について「多くの方に3回目はモデルナ社のワクチンを打ってもらわないといけないが、現場では、なかなか進まずに困っている。何とか、これを進める方向で、正確な情報を正面から国民に伝える努力をもっとした方がいい」と指摘しました。



これに対し、岸田総理大臣は「安全性や効果について、国民から見て、わかりやすく、かつ、正確な情報発信が何よりも重要だ。これからの情報発信の中で、そういった姿勢はしっかりと大事にしていきたい」と述べました。

国民 前原代表代行 「基礎的財政収支」の試算について

国民民主党の前原代表代行は、2025年度の「基礎的財政収支」の黒字化も可能だとする政府の最新の試算について「机上の空論だ。本当に黒字化になるのであれば具体的な道筋を示してほしい。それを示せないのに『新しい資本主義』でバラ色の財政を描けると言っても詐欺と同じだ」とただしました。



これに対し、岸田総理大臣は「試算の中での成長実現ケースは過去の実績も踏まえたペースの中で最も高いものを用いた。今できないから目標は達成できないと終わるのではなく、決して過去に実現できなかった数字ではない訳で、より数字を上げていくためにはどうしたらいいか、しっかり考えていきたい」と述べました。

共産 宮本氏 新型コロナの検査体制について

共産党の宮本徹氏は新型コロナの検査体制をめぐり「医療現場から、抗原検査キットが不足しているという悲鳴の声が上がっている。医療現場などの診療、診断のために優先して安定供給する仕組みが必要ではないか」とただしました。



これに対し、後藤厚生労働大臣は「最近の感染状況の中で、急速に検査需要が伸び、一部の地域では一時的に検査が受けにくい状況が生じている。メーカーに対して国が買い取り保証をして当面1日80万回分の増産を要請した。医療機関への供給をしっかりと優先しつつも、引き続き必要な量を確保していきたい」と述べました。

岸田首相 子ども政策の予算について

午前の質疑で、岸田総理大臣は子ども政策の予算について「今後は『こども家庭庁』のもとで、体系的に取りまとめていきたい。期限とか、規模ありきではなく、将来的には倍増をしっかり目指していきたい」と述べました。

後藤厚労相 雇用調整助成金の不正受給の事案について

また後藤厚生労働大臣は雇用調整助成金の不正受給の事案について、去年12月末時点で261件でおよそ32億円に上り、このうち43件でおよそ11億円が回収できていないことを明らかにしました。



そのうえで「引き続き、制度をしっかりと運用していきたい」と述べました。