世界各国の高校生などが参加して物理の知識を競う国際物理オリンピックが、ことしベラルーシで開催されることになっていましたが、参加できない国があり公平ではないとして、日本は参加を見送ることを決めました。

国際物理オリンピックは1967年から始まり、世界各国の高校生などが集まってほぼ毎年、1週間ほどの日程で物理の知識を競い合うもので、ことしは新型コロナの影響のためオンライン形式でベラルーシが主催して、7月に開催されることになっていました。

28日、日本の関係者がロシアによるウクライナ侵攻の状況なども含めて対応を協議した結果、大会に参加できない国もあるとみられることから「大会は、全世界の参加者がひとしく競い合うもので、現状では公平ではない」として参加を見送ることを決めました。

日本は新型コロナの影響で大会が開かれなかった年を除いて2006年の大会から15回連続で参加して、いずれの大会でもメダルを獲得していて、ことしも国内で試験や合宿などを行って参加者の選考を進めていました。

関係者によりますと、今回の大会ではドイツやポーランド、それにフィンランドなど複数の国も参加を取りやめているということです。

物理オリンピック日本委員会の長谷川修司理事長は「国家間の争いによって高校生たちが続けてきた準備や努力がむだになり、非常に残念です。丁寧に説明して理解を求めていきたい」と話していました。