東京の医療ベンチャー企業による新型コロナウイルスの治療薬の開発事業をめぐるインサイダー取引事件で、逮捕された3人のうち、建設会社の社長ら2人が医療ベンチャー企業の業務提携先の会社に資金提供などを行っていたことが捜査関係者への取材で分かりました。内部情報はいずれも業務提携先から入手したとみられるということで、警視庁などが詳しいいきさつを調べています。

横浜市の建設会社の社長、久保田俊明容疑者(53)と、投資関連会社の社長、山崎平馬容疑者(49)ら3人はおととし、東京の医療ベンチャー企業「テラ」と業務提携先の2社が新型コロナウイルスの治療薬の開発事業に乗り出したという公表前の内部情報をもとに株を買い付けるインサイダー取引を行ったとして、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。



警視庁は3人の認否を明らかにしていません。



3人はそれぞれ株を売り抜けてあわせておよそ5000万円の利益を得ていたとみられていますが、このうち久保田社長と山崎社長の2人が「テラ」の業務提携先の会社に資金提供を行ったり、資金調達の相談に応じたりしていたことが捜査関係者への取材で分かりました。



内部情報はいずれもこの業務提携先の会社役員から入手したとみられるということです。



警視庁と証券取引等監視委員会は取り引きが行われた詳しいいきさつや、治療薬の開発事業の実態について調べを進めています。