東京の医療ベンチャー企業による新型コロナウイルスの治療薬の開発事業をめぐり、公表前の内部情報をもとに株を買い付けるインサイダー取引を行ったとして建設会社の社長ら3人が逮捕された事件で、3人が株価が値上がりした後に株を売り抜け、合わせておよそ5000万円の利益を得ていた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。

▼横浜市の建設会社の社長、久保田俊明容疑者(53)と▼神奈川県内にある投資関連会社の社長、山崎平馬容疑者(49)ら3人はおととし、東京 新宿区の医療ベンチャー企業、「テラ」と業務提携先の2社が新型コロナウイルスの治療薬の開発事業に乗り出したという公表前の内部情報をもとに株を買い付けるインサイダー取引を行ったとして、金融商品取引法違反の疑いで逮捕されました。



警視庁は3人の認否を明らかにしていません。



治療薬の開発事業が発表された後、「テラ」の株価は高騰し、一時、発表前のおよそ20倍に値上がりしましたが、3人が値上がりした後のおととし5月から8月にかけてそれぞれ株を売り抜け、合わせておよそ5000万円の利益を得ていた疑いがあることが捜査関係者への取材で分かりました。



その後、2社は開発事業から事実上撤退し、株価は下落していました。



3人はいずれも「テラ」の業務提携先の会社役員から内部情報を得ていたとみられるということで、警視庁と証券取引等監視委員会は詳しいいきさつを調べるとともに、事業そのものの実態についても調べを進めることにしています。