ファイザーの新型コロナウイルスワクチンを3回接種した人は、感染を防ぐ抗体の値が接種前に比べて平均でおよそ50倍に上昇したとする中間報告を国の研究班がまとめました。


研究班は「オミクロン株を前提にした調査ではないが、一定の感染予防効果などがあると示唆される」としています。

厚生労働省の研究班は、先月14日までにファイザーのワクチンの3回目の接種を受けた医療従事者、およそ250人を対象に、WHO=世界保健機関が指定した方法を使って抗体の量を初めて調査しました。

それによりますと、接種から1か月後の抗体の値は、3回目の接種を受ける直前に比べて平均で49.6倍に上昇したとしています。


接種後の抗体の値に、年代による差は見られなかったということです。



研究班の代表で、順天堂大学医学部の伊藤澄信客員教授は「今回の調査はオミクロン株を前提にしたものではないので、そのまま効果を当てはめることはできないが、オミクロン株に対しても、感染と発症を防ぐ効果が一定程度あると示唆される」としています。



副反応については、医療従事者2100人余りを調査した結果、


3回目の接種後に発熱した人は、


▽37度5分以上が39.4%


▽38度以上は21%でした。



▽けん怠感を訴えた人は69.2%


▽頭痛は55%で、


いずれも、接種の翌日が最も多かったということです。


症状を訴えた人の割合は2回目の接種後と、ほぼ同じだったとしています。


また、3回目の接種後に病気休暇をとった人は、全体の9.3%だったということです。

伊藤客員教授は「3回目接種でも、2回目とほぼ類似した副反応が見られている。可能であれば、接種の翌日ごろまでは休暇を取ることを勧めたい」としています。