羽毛のような珍しい羽を持つ小さな昆虫は、水泳のバタフライのようにも見える独特の飛び方をしていることを千葉大学などの研究グループが明らかにし、これまで知られていない飛び方として注目されています。

ベトナムに生息するコガネムシなどの甲虫と呼ばれる仲間の昆虫に、体長が0.4ミリほどと極めて小さく、羽毛のように毛が生えた羽をもつ種類がいることが知られています。



千葉大学の劉浩教授やロシアの研究者などからなる研究グループは、羽の構造や機能を詳しく分析しました。



羽毛のような羽は左右に一つずつあり、それぞれ細い毛が40本ほど並んでいました。

ハイスピードカメラで飛ぶ姿を撮影したところ、羽を1秒間に180回ほど羽ばたいて、空気を押すようにして飛んでいて、水泳のバタフライのようにも見える独特の方法で飛んでいることが分かったということです。

さらに研究グループは、スーパーコンピューターによるシミュレーションを使って解析したところ、羽ばたく瞬間に外側の硬い羽を動かすことで姿勢を安定させ、まっすぐに飛ぶことができていることも分かったということです。



トンボやハチなどは薄い膜のような羽をはばたくことで空気の渦を作り出して上昇する力を生み出して飛んでいて、今回の飛び方はこれまで知られていなかったものだとしています。



また、羽毛のような羽は膜のような羽に比べて重さが5分の1程度と軽くできていたこともわかったということです。

劉教授は「小さな体でも飛べるように進化した結果ではないか」と話しています。