新型コロナウイルスの感染が学校現場にも広がる中、商業高校では、全国一斉で行われる簿記などの検定試験を多くの生徒が受けられなくなる事態になっていて、北九州市の学校でも対応に苦慮しています。

全国の商業高校では今月23日の日曜日から検定試験が始まり、3週連続で簿記や情報処理などの試験が全国一斉に行われます。



しかし、主催している全国商業高等学校協会によりますと、23日に行われた簿記実務検定試験では、申し込んだ13万人余りのうちおよそ7000人が、新型コロナの影響で受験できなかったということです。



生徒自身が感染したり濃厚接触者になったりしただけでなく、臨時休校や学級閉鎖により、学校が試験の中止を判断して、受けられなかった生徒もいました。



追試験などの救済措置はないということです。



こうした状況に、北九州市小倉南区にある小倉商業高校も対応に苦慮しています。



今月23日の試験では、申し込んだ286人のうち16人が試験を受けられませんでした。



学校では、今後の試験を受けられなくなる生徒が出ないよう、校内での感染対策を徹底し、家庭にも感染予防の協力を呼びかけています。



1年生の男子生徒は「検定を受けるために勉強しているので、発揮できる場がなくなるのは悲しい。感染対策を最大限やっていきたい」と話していました。

小倉商業高校の堀修校長は「商業高校生にとって、検定試験に通れば、進学や就職に有利に働くので、それが生かせなくなることを心配している。今回受けられなかった生徒には、次回もっと上のレベルを目指せるよう指導していきたい」と話していました。