科学技術の分野で優れた業績をあげた研究者に贈られる「日本国際賞」のことしの受賞者に、新型コロナウイルスワクチンの開発で大きな貢献をしたドイツのバイオ企業ビオンテックのカタリン・カリコ博士などが選ばれました。

「日本国際賞」は、国際科学技術財団が、科学技術の分野で人類の平和と繁栄に貢献する優れた業績を挙げた研究者に贈っていて、ことしの受賞者にドイツのバイオ企業ビオンテックの上級副社長を務めるカタリン・カリコ博士とアメリカ、ペンシルベニア大学のドリュー・ワイスマン教授などが選ばれました。



カリコ博士ら2人は、人工的に作り出した遺伝物質のメッセンジャーRNAをヒトの体内で異物と認識されないようにして機能させる方法を発見し、新型コロナウイルスワクチンの開発に大きく貢献しました。



授賞の理由について財団は、分解されやすく、長年、難しいとされてきたメッセンジャーRNAの医療への応用の道を開き、短期間でのワクチン開発や生産を可能にし、多くの人命を救うとともにパンデミック終息の希望を与え、世界的な経済損失の減少にも貢献しているとしています。



また、植物による二酸化炭素の吸収量を地球規模で推計するなど、気候変動の研究に貢献したスタンフォード大学のクリストファー・フィールド教授も受賞者に選ばれました。



「日本国際賞」の授賞式は4月13日に開かれます。