マスクの着用が新型コロナウイルスの感染予防に効果があるかを検証するため、アメリカの大学などのグループがバングラデシュで大規模な調査を行ったところ、マスクの着用率が高い地域では新型コロナに感染する人の割合が低かったとする研究結果を発表しました。

この研究はアメリカ イェール大学などのグループが行い、科学雑誌の「サイエンス」で発表しました。



グループは、おととし11月から去年4月にかけて、バングラデシュの農村部のおよそ600の自治体を対象にマスクを配って着用の啓発を行った自治体と行わなかった自治体で新型コロナウイルスの感染に違いがあるかを調べました。



その結果、マスク着用の啓発を行わなかった自治体ではマスクの着用率は13.3%だったのに対し、啓発を行った自治体では着用率が42.3%と高くなり、新型コロナの感染が疑われる症状が出た人の割合は11.6%低くなっていたということです。



また、抗体の検査でもマスクの着用率が高い自治体は感染率が低い傾向がみられたということです。



グループでは、マスクが新型コロナウイルス対策に役立つという明確な証拠が得られたとしていて、マスクの着用率がさらに上がれば、感染を防ぐ効果もより高まるとみられるとしています。