大阪 摂津市で3歳の男の子に熱湯をかけて殺害したとして、母親の交際相手が逮捕された事件を受けて、行政の対応などを検証する大阪府の部会が開かれました。
出席者からは「深刻な虐待をうかがわせる情報があったのに危機意識が甘かった」といった意見が出され、来年1月にも再発防止策を盛り込んだ報告書を取りまとめることを決めました。

大阪府庁で開かれた検証部会には、児童福祉の研究者や弁護士など5人の専門家が出席し、府の担当者が事件の経緯を説明しました。

このなかで、摂津市には母親の知人から「放っておいたら子どもが殺される」といった情報が寄せられた一方、在宅での支援が可能だと判断し、大阪府の児童相談所に所管を移さず対応していたことなどが報告されました。

出席者からは「深刻な虐待をうかがわせる情報があったのに、市の危機意識が甘かったのではないか」といった意見が出され、今後、虐待事案のリスク評価や、市町村と府の児童相談所との情報共有の在り方について検討していくことを確認しました。

そのうえで、来年1月にも再発防止策を盛り込んだ報告書を取りまとめることを決めました。

部会長を務める東京通信大学の才村純教授は、記者団に対し「二度と同じような事態が起きないようしっかり検証し、具体的な方策を提言したい」と述べました。