大手電機メーカーの東芝は14日車谷暢昭社長が辞任したと発表しました。東芝は外資の投資ファンドからの買収提案を受けていましたが、車谷氏がかつてこのファンドの日本法人のトップを務めていたことなどから経営陣の間で提案の背景が不透明だという批判も出ていました。

発表によりますと東芝は14日、車谷暢昭社長から辞任したいという申し出があり、受理しました。

これを受けて臨時の取締役会を開き、後任の社長に前の社長の綱川智会長が復帰し、14日付けで就任することを決めました。

三井住友銀行の元副頭取だった車谷氏は、2018年4月に当時、アメリカの原子力事業による巨額の損失で経営が悪化していた東芝のトップに就任しました。

その後、経営の立て直しを進め、会社はことし1月に東証2部から東証1部に復帰しました。

東芝は今月6日、イギリスに本拠を置く投資ファンド、CVCキャピタル・パートナーズなどから買収提案を受けました。

東芝の上場を取りやめて株式を非公開にすることで、車谷氏を支持しないいわゆる“モノ言う株主”のほかの投資ファンドなど外部からの影響を受けない体制を目指す内容でしたが、車谷氏がかつてCVCの日本法人のトップを務めていたことなどから、経営陣の間で提案の背景が不透明だという批判も出ていました。

東芝としては、綱川会長を社長に復帰させることで株主などとの対話を進め、経営をめぐる混乱を早期に収束させたい考えです。