春闘が本格化するのを前に、日本商工会議所の三村会頭は4日の定例会見で、中小企業の賃金の底上げは、生産性をさらに向上させることなどが必要となり、実現には時間がかかるという認識を示しました。

この中で三村会頭は「今の中小企業の実態は、収益に対する人件費の割合がかなり高くなっている。将来への投資や賃上げの原資となる分はわずかしかない。これからみんなに『頑張って賃上げをしてくれ』とは私の立場ではちょっと言えない」と述べ、ことしの春闘で中小企業にさらなる賃上げを呼びかけることには、慎重な立場を示しました。



そのうえで「中小企業が賃上げをするには、付加価値を増やす方策を講じてほしいと言っている。取引価格の是正や生産性を向上させることの2つが前提だが、これには時間がかかる」と述べ、中小企業の賃金を底上げするには、大手との取引価格の見直しや生産性の向上が必要で、時間がかかるという認識を示しました。