大手電機メーカーの東芝は、外資の投資ファンドからの買収提案をめぐって経営が混乱する中、会長に退いていた綱川智氏が社長に復帰しました。新たなトップのもとで、買収提案に応じるかどうかの判断や、“モノ言う株主”との関係改善などへの対応が問われることになります。

東芝は14日車谷暢昭社長が辞任したのを受けて、会長に退いていた綱川智氏が社長に復帰し、新たなトップのもとで経営をめぐる混乱の収束を急ぐ方針です。

まずは、買収を提案した投資ファンド、「CVCキャピタル・パートナーズ」が近く行うとしている詳細な提案の内容を分析し、応じるかどうかの判断が課題となります。

また、会社と対立を深めていた筆頭株主の投資ファンド、「エフィッシモ・キャピタル・マネジメント」などいわゆる“モノ言う株主”との関係について、綱川新社長はきのうの記者会見で「信頼関係の構築がキーワードだ」と述べ、関係の改善に向けて対話を強化していく考えを示しました。

さらに、会社では半導体事業を分離した世界有数の記憶用半導体メーカー、キオクシアホールディングスについては保有する株式を売却する方針で、当面はこうした課題への対応が問われることになります。